[{"onix":{"RecordReference":"9784788514881","NotificationType":"03","ProductIdentifier":{"ProductIDType":"15","IDValue":"9784788514881"},"DescriptiveDetail":{"ProductComposition":"00","ProductForm":"BA","ProductFormDetail":"B108","TitleDetail":{"TitleType":"01","TitleElement":{"TitleElementLevel":"01","TitleText":{"collationkey":"リンショウゲンバデヤクダツシツテキケンキュウホウ","content":"臨床現場で役立つ質的研究法"},"Subtitle":{"collationkey":"","content":"臨床心理学の卒論・修論から投稿論文まで"}}},"Contributor":[{"SequenceNumber":"1","ContributorRole":["B01"],"PersonName":{"collationkey":"フクシマ テツオ","content":"福島 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coderを利用した計量テキスト分析の実践\n\n１　はじめに\n\n２　KH coderについて\n2-1　KH coderによる計量テキスト分析でできること\n2-2　KH coderのダウンロードとインストールの方法\n\n３　KH coderによる分析前の下準備\n3-1　第１段階―分析データを整理するための保存用データファイルの作成\n3-2　第２段階―分析対象ファイルの準備\n\n４　KH coderの使い方の手順\n4-1　KH coderを起動する\n4-2　ファイルの読み込み\n4-3　データの前処理\n4-4　抽出語（分析に用いる語）の取捨選択\n4-5　「前処理」→「前処理の実行」で分析データの準備完了\n\n５　分析の実行\n5-1　カウンセリング中にセラピストが多く用いた語を分析してみる《分析１》\n5-2　それぞれのセッションに特徴的なセラピストの発語を分析する《分析２》\n5-3　セッションごとのセラピストの発言特徴の分析―共起ネットワークを用いた分析《分析３》\n5-4　セッションごとのセラピストの発言特徴の分析―対応分析を用いた分析《分析４》\n\n６　おわりに\n\n第7章　PCソフトを活用した質的臨床研究②\n―PAC分析による治療関係概念生成\n\n１　はじめに\n\n２　態度を探る理由と方法\n2-1　なぜ、態度を明らかにする必要があるのか？\n2-2　態度を資料として収集する方法\n2-3　心理尺度式の質問紙法が向かない場合\n2-4　面接法を選ぶべき場合\n\n３　PAC分析はこんなときに使える\n3-1　PAC分析が有効な場合１―態度のパターンが読めないとき\n3-2　PAC分析が有効な場合２―研究者が仮説（認知バイアス）を持っているとき\n\n４　PAC分析を選ぶ手続き\n4-1　なぜPAC分析を使わなければならないのか？\n4-2　研究テーマと方法のマッチング\n4-3　PAC分析の採択\n4-4　PAC分析か？　GTAか？\n\n５　PAC分析の進め方\n5-1　母集団と研究協力者サンプリングの検討\n5-2　研究協力者への依頼\n5-3　プログラムの入手\n5-4　ソフトの立ち上げと自由連想\n5-5　重要度の評定と一対比較法\n5-6　「非類似度行列（対称化）」とクラスター分析\n\n６　考察とまとめ\n\n第8章　実際の研究例\n―課題分析と合議制質的研究法との融合\n\n１　はじめに\n\n２　「セラピストの肯定」と「二項対立」\n2-1　前年に行われた研究について\n2-2　本研究の問題意識と目的\n2-3　本研究が実践にもたらす意義\n2-4　研究方法の選択―課題分析と合議制質的研究法を参考に\n\n３　研究の開始\n3-1　大まかな流れ\n3-2　テーマと分析方法の決定\n3-3　研究計画案とモデルの策定\n3-4　事例データの収集と分析方法の再検討\n\n４　モデルの完成に向けて\n4-1　事例の分析と修正版モデルの提案\n4-2　研究会メンバーとのモデルに関する合議\n4-3　モデルとプロセス図の完成\n4-4　モデルの臨床事例との照合\n4-5　モデルの精緻化\n\n５　考察\n5-1　本研究から示唆されたこと\n5-2　今後の課題\n\n６　おわりに―この研究をした経験に関する所感\n6-1　研究参加者自身の臨床家としての成長に対する貢献\n6-2　共同研究の留意点―生産性を高めるために\n\n●コラム　臨床データ取得のコツ\n\nあとがき\n文　献\n人名索引\n事項索引"}],"SupportingResource":[{"ResourceContentType":"01","ContentAudience":"01","ResourceMode":"03","ResourceVersion":[{"ResourceForm":"02","ResourceVersionFeature":[{"ResourceVersionFeatureType":"01","FeatureValue":"D502"},{"ResourceVersionFeatureType":"04","FeatureValue":"9784788514881.jpg"}],"ResourceLink":"https:\/\/cover.openbd.jp\/9784788514881.jpg"}]}]},"PublishingDetail":{"Imprint":{"ImprintIdentifier":[{"ImprintIDType":"24","IDValue":"3329"},{"ImprintIDType":"19","IDValue":"7885"}],"ImprintName":"新曜社"},"Publisher":{"PublishingRole":"01","PublisherIdentifier":[{"PublisherIDType":"24","IDValue":"3329"},{"PublisherIDType":"19","IDValue":"7885"}],"PublisherName":"新曜社"},"PublishingDate":[{"PublishingDateRole":"01","Date":"20160901"}]},"ProductSupply":{"MarketPublishingDetail":{"MarketPublishingStatus":"00","MarketPublishingStatusNote":"1;"},"SupplyDetail":{"ProductAvailability":"99","Price":[{"PriceType":"01","PriceAmount":"2200","CurrencyCode":"JPY"}]}}},"hanmoto":{"genshomei":"","han":"","datejuuhanyotei":"","datezeppan":"","toji":"並製","zaiko":11,"maegakinado":"臨床現場で役立つ質的研究法　まえがき\n　―今いる場所を少しでも良い場所に\n\n　　従来、臨床心理学における研究と臨床行為そのものの間にはある種の乖離があった。つまり、成果の共有や応用はあったものの、方法論や発想という点で大きく隔たっていた。たとえば、特定の心理的な問題の背景や要因を探る場合に、ある程度の数のサンプルを統計的に比較する方法がある。あるいはアナログ研究として一般群の中から特定の心理的傾向の比較的高いサンプルに関して分析する等の場合もある。このような場合、統計的手法に基づいてきちんと分析された結果が、必ずしも個々の事例を十分に説明したり予測したりするものではない。それは医学における「一般例と例外的な事例」というような関係ではなく、心理臨床という細密な要素を扱う実践であるからこそ、生じるような乖離である。それゆえに、このような一般化を目指す研究とその発想が、「個々の事例をできるだけ詳しく見つめて支援しようとする」臨床的な発想となかなか結びつきにくいのである。このような乖離とそこからもたらされる葛藤は、卒論や修論執筆から始まり、臨床現場においても日々体験されることである。\n\n　そして、この乖離のために、研究成果や方法論がそのままでは目の前のクライエント理解や介入に役立たないことも多かった。また、一般的に「研究を頑張っても、臨床の力は伸びない」と言われたり、俗にいう「研究はできるのに臨床は下手な心理士」やその逆の「臨床は上手いのに、研究はできない心理士」が多く輩出され続けたりしているのも、この乖離から来る弊害であるともいえよう。\n\n　このようなことは、日本に限ったことではない。心理療法とその研究に関する国際学会でも、このことが公然と語られたり、陰口として言われたりすることもある。しかし、日本においてはこの「研究と実践の乖離」の問題はさらに深刻で、伝統的に実践を重んじる臨床家たちは「心理臨床学」という名前のもとに、実践を重視する学を推奨し、学会や学術雑誌の名称にもこれを使っている。いわば研究を重視する「臨床心理学」と実践を重視する「心理臨床学」に区別されているとすらいえる様相が続いている。\n\n　こうした「臨床心理学」と「心理臨床学」との間にある乖離を橋渡しするにあたって、期待されているのが、質的研究法の活用である。幸いなことに近年は一般心理学や社会学の中で質的研究法の解説本や論文が多く出版されるようになり、次第になじみ深いものとなってきている。しかし、これらの多くは、「結果の有用性」という質的研究における最大の存在意義に関して曖昧なものが多く、「何のための、誰のための研究か？」という点に疑問を抱かざるを得ないものもしばしば見受けられる。\n\n　このような状況を少しでも変えようと、本書が企画された。心理臨床の実践に携わる人が臨床現場で研究に携わることができ、その研究成果を臨床現場に還元して活用できる内容を目指した。そのためにポピュラーなものから最新のものまで、臨床心理学の学術論文や卒論・修論にも使える質的研究法を紹介し、さらにそれらを臨床現場でどのように使うと心理臨床そのものに活かせるのかということについて、実例を示しながら解説を加えている。\n\n　では、本書の書名にもある「臨床現場で役立つ」とは、具体的に何を意味しているのだろうか。まず「臨床現場」とは、「今、私たちがいる場所」を指すことばであると考える。それは心理臨床家であれば、まさに「実践の現場」のことを指すだろうし、もし学生であれば、ともにトレーニングを受けている「学びの場」の場合もあるだろう。つまりことさらに研究のために出かけていく場所ではなく、少なくともすでにある程度なじんだ場所という意味である。その意味では、本書では単に研究者の知的な関心に根ざした視点からのインタビュー調査やフィールドワーク、観察調査などは対象としていない。\n\n　さらに、このように「臨床現場」ということばの意味する範囲を限定することで、本書で意味するところの「役立つ」ということも明確になってくるだろう。それは簡単な言い方をすれば「今、私たちがいる場所」を「少しでも望ましい方向に変化させる」ということである。ここで「望ましい方向」がどのようなものであるかはとても難しい問題であり、一概には言えない。言い方を変えれば、「望ましい方向とは何か」を含めて、「今、私たちがいる場所」で検討しながら手探りで進めていくことが、本書で扱う「臨床現場で役立つ」研究ということである。\n\n　各章のテーマとねらいについて、ここで簡潔に紹介しておきたい。\n\n［第１章］　「臨床現場で役立つ質的研究法とは―質的研究法と量的研究法の長所短所から臨床と研究の相互高め合いまで」（執筆者：福島哲夫）と題した全体的な解説である。本書を貫く基本的な姿勢を述べ、学部生・大学院生から広く現場の実践家や現場を持つ研究者までを対象に、「臨床現場にいながら、臨床現場に役立ち、臨床力も伸びて行くような研究」としての質的研究法の可能性を示した。\n\n［第2章］　「KJ法の臨床応用―実践的な指針の探索」（執筆者：古田雅明）と題して、KJ法を解説した。従来の「新たな発想法」や「問題」の発見を目的としたKJ法から、さらに「臨床に役立つ研究」として一歩踏み込んだ活用の仕方を提案している。本来、KJ法はある意味徹底した「ボトムアップ」的な研究法であるが、ここでは特定の臨床的観点からのリサーチクエスチョンの設定と、それに基づいた枠組みを使ってKJ法を実施することにより、臨床的有用性の高いものとなっている。\n\n［第3章］　「修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ―ミクロな実践プロセスの分析・記述」（執筆者：福島哲夫）と題してグラウンデッド・セオリー・アプローチ（GTAとM-GTA）について解説した。GTAとM-GTAの両方を比較検討しながらも、従来よく使われるインタビュー調査の分析という形だけではなく、単一事例の逐語録（トランスクリプト）からその事例のプロセスを効果的に分析・記述する方法としての可能性を提案している。\n\n［第4章］　「プロセス研究法と質的研究法―課題分析を中心に」（執筆者：岩壁茂）と題した章である。日本ではまだあまり知られていない「プロセス研究」について課題分析を例に挙げて、その実際を解説した。この課題分析とは特定の心理的問題への、心理面接セッション内での一連の介入と変容のプロセスを明らかにする際に有効な方法である。ここでは「恥への介入モデルと恥の変容プロセス」の研究例が示されている。その際、データとしては、純金サンプリング（pure gold sampling）と呼ばれる、典型例や成功例を採用する。今後日本においても大いに発展が期待される方法である。\n\n［第5章］　「合議のプロセスを用いた質的研究―質的研究と心理臨床における専門家間の対話を活かした方法」（執筆者：藤岡勲）と題した章である。これはHillらによって構築された、複数の研究者が対話をしながら行う質的研究である。従来、質的研究は一人の研究者が（時にはスーパーヴァイザーの下で）行うものが多かったが、これを専門家間での対話を活かした形で、バランス良く進める方法であり、今後、日本でも大いに広まっていくべき方法である。\n\n［第6章］　「PCソフトを活用した質的臨床研究①―KH coderを利用した計量テキスト分析の実践」（執筆者：八城薫）と題して解説した。これは、近年普及し始めている無料PCソフトの一つであるKHコーダーを使った分析の方法である。心理療法面接のトランスクリプト（逐語録）を使って、特定のセッションの性格を客観的に浮き上がらせる試みである。面接セッション内で用いられた言葉を、主にその言葉と言葉の関連性の観点から、客観的に分析する有効な方法である。もちろん、このソフトは自由記述や日記・手記等の分析にも活用できるので、ぜひ参考にされたい。\n\n［第7章］　「PCソフトを活用した質的臨床研究②―PAC分析による治療関係概念生成」（執筆者：杉山崇）と題して解説した章である。これは第６章のKHコーダーに比較して、すでにかなり普及した方法である。このPAC分析は、研究者の認知バイアスを排して質的データから「構造を読み解く」難しさを解消する優れた方法である。特にこの章では「臨床家が治療関係について抱いている実感」に関して、どのように研究を進めたかという実例に基づいて解説している。研究方法の採択から、サンプリング、ソフト提供者と研究対象者への依頼の方法等も含めて、研究の具体的手順のお手本ともなっているので、ぜひ、参考にしてほしい。\n\n［第8章］　「実際の研究例―課題分析と合議制質的研究法との融合」（執筆者：足立英彦）と題して、主に博士後期課程に在籍中の若手研究者たちによって行われた研究の実例を、研究会の立ち上げから、リサーチクエスチョンの設定、事例データの収集から学会発表・論文化に至るまで詳しく取り上げ、ライブ感のある実演形式で解説した。\n\n　以上のとおり、「実践に役に立つ」「その場で使える」「自分がいる現場で研究できる」質的研究法を読者にわかりやすく紹介することが本書のねらいとするところである。さらに、それら三つに加えて、「やっていると自然に臨床の腕が上がるような質的研究」という視点も本書のねらいに含めたい。実は本当に臨床に即した質的研究をすると、研究をしているだけで臨床の腕が上がる。そして臨床をするとそのようなタイプの質的研究の腕も上がるのである。このように両者が高め合う関係にあるというのが理想であるし、それは可能だと考えている（図0-1）。本書で紹介する質的研究法の実践を通じて、臨床実践力も培われ、また逆に臨床経験を積むことで研究力も伸びるという豊かな相互関係が期待できるだろう。\n\n　心理臨床とその研究にとって「約束された場所」はない。つまり決まった道筋も終着点もない。先人の実践や理論、研究成果だけを頼りにしてもどこにも到達できない。豊富な経験に裏打ちされた的確な判断はあっても、単なる「権威」は力を持たない。もちろん、これはどのような研究分野や実践領域でも同じことであるが、心理臨床はとりわけ曖昧なために、「成果が約束された方法」や「権威」の力に、すがりたくなるという現実がある。そんな中で、細かな手触りにも似た「実感」を確かめながら進めて行く臨床的質的研究こそ、今いる場所を少しでも良くしていけるはずである。そうしながら、ゆくゆくは学派や政治的な立場を超えて日本の臨床心理学（心理臨床学も含めて）とその実践活動全体を、より良くしていけるはずである。\n\n　本書を手に取られた方はその立場や目指す方向性、現場の種類を超えて、ぜひ「実感」に根ざした思考法を身につけるためにこの本を活用していただけたなら、幸いである。\n\n福島哲夫","ndccode":"","kankoukeitai":"","sonotatokkijikou":"","jushoujouhou":"","furokusonota":"","dokushakakikomi":"","zasshicode":"","hatsubai":"","hatsubaiyomi":"","author":[{"listseq":1,"dokujikubun":""}],"datemodified":"2016-09-05 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