[{"onix":{"RecordReference":"9784876160624","NotificationType":"03","ProductIdentifier":{"ProductIDType":"15","IDValue":"9784876160624"},"DescriptiveDetail":{"ProductComposition":"00","ProductForm":"BA","ProductFormDetail":"B110","TitleDetail":{"TitleType":"01","TitleElement":{"TitleElementLevel":"01","TitleText":{"collationkey":"ベイジュヲスギテナガイタビ","content":"米寿を過ぎて長い旅"}}},"Contributor":[{"SequenceNumber":"1","ContributorRole":["A01"],"PersonName":{"collationkey":"ヤマオリ テツオ","content":"山折 哲雄"},"BiographicalNote":"宗教学者、評論家。1931 年、サンフランシスコ生まれ。\n国際日本文化研究センター名誉教授（元所長）。\n著書に『愛欲の精神史』（小学館・和辻哲郎文化賞受賞）『日本仏教思想の源流』（講談社学術文庫）『法然と親鸞』（中央公論新社）『「身軽」の哲学』（新潮選書）など多数。"}],"Language":[{"LanguageRole":"01","LanguageCode":"jpn","CountryCode":"JP"}],"Extent":[{"ExtentType":"11","ExtentValue":"298","ExtentUnit":"03"}],"Subject":[{"MainSubject":"","SubjectSchemeIdentifier":"78","SubjectCode":"0095"}],"Audience":[{"AudienceCodeType":"22","AudienceCodeValue":"00"}]},"CollateralDetail":{"TextContent":[{"TextType":"03","ContentAudience":"00","Text":"「ひとりを楽しむ」「ひとりで生きる」「老いを味わう」ことにこだわり続け、「老後という長い時間をどう生きたらいいのか」という中高年の問いに答え続けてきた著者にとっては、米寿を過ぎても他者への興味は枯れることはない。\n海外を訪れた時の驚きと興奮、国内の秘境に降り立った記憶、時事問題から、スポーツ、宗教、芸術、文学、歴史、人物、果ては人のみならず、動物へ植物へと、その思索と想像の翼は休むことなく羽ばたきを続ける。\nそして、仏教をベースにした宗教家の顔が随所に現れる。生きるということ、老いるということ、死を迎えるということの意味を自らの生老病死に重ね合わせて、日本人の本質に迫っていく。自らの半生を振り返って自伝風とも言える「―序にかえて―『ひとり』のやぶにらみ」は味わい深く、また山折大原案の「くり童子」の可愛らしいイラストがほのぼのとした雰囲気を醸し出している。"},{"TextType":"04","ContentAudience":"00","Text":"—序にかえて—「ひとり」のやぶにらみ　\n\n第一章　時空を超え\n　ヘルペスと人情話／天上の音楽／開眼、閉眼、半眼／ふたたび半眼について／幽体離　脱　奇跡の生還／骨噛み／お婆さんのお念仏／ロック嫌い／咸臨丸の後日談／伊藤比呂美という詩人の面白さ／二重国籍者／リニア新幹線／「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」　「東北沈没」／愛媛、久万高原の「投入堂」／「天女」と「森」の物語／羽生結弦とマイケル・ジャクソン／発想を転換するとき／パリの大聖堂と森　\n\n第二章　「ひとり」の八方にらみ\n　美空ひばり—叙情の旋律—／ひばり歌謡10選／三つの時間と無常／乾いた無常、湿った無常／「座の文化」を再考する／宴の松原／京都千年の歳事は京都一極集中／「善」と「悪」の勝負—日本人の宗教観—／師殺し、主殺し／『夕鶴』について／富士の山とスカイツリー／一と1／潮流体験と遍路の旅／啄木の歌碑／サルとヒト／神の死／「忖度」騒動を診察する／紫式部と夏目漱石の違い／恨の五百年／「象徴翁」の誕生／罪か赦しか　\n\n第三章　目には花\n　視力の衰えとともに／勝持寺の西行桜／草の化けた花／佐渡の落日／「美しい目」から「可愛い目」へ／一目妖怪／ガンジス川で散骨／マザー・テレサとの出会い／微 醺のバラ／主役を花に／タテ・ヨコ・タテの道徳観／天上の花園／鎮める香り、煽あおる香り　六角堂の夢／花降る海／父と花／いまを生きる聖ひじり／小さな星条旗／「はんなり」の奥行き／木の葉、舞う／まぼろしの花、まぼろしの人　\n\n第四章　静かな覚悟\n　「残心」と「無心」／佐久間艇長と漱石／広瀬中佐と漱石／大将の度量と副官の器／仇討ちの現実／北条時頼と「鉢の木」／支倉常長の船出／藤原道長の浄土／高浜虚子と柿二つ／アルツハイマー病の告白／ブッダ・フェースとオキナ・フェース　\n\n—あとがきにかえて—　京都の空の下で逝く　"}],"SupportingResource":[{"ResourceContentType":"01","ContentAudience":"01","ResourceMode":"03","ResourceVersion":[{"ResourceForm":"02","ResourceVersionFeature":[{"ResourceVersionFeatureType":"01","FeatureValue":"D502"},{"ResourceVersionFeatureType":"04","FeatureValue":"9784876160624.jpg"}],"ResourceLink":"https:\/\/cover.openbd.jp\/9784876160624.jpg"}]},{"ResourceContentType":"07","ContentAudience":"01","ResourceMode":"03","ResourceVersion":[{"ResourceForm":"02","ResourceVersionFeature":[{"ResourceVersionFeatureType":"01","FeatureValue":"D502"},{"ResourceVersionFeatureType":"04","FeatureValue":"9784876160624.in01.jpg"}],"ResourceLink":"https:\/\/cover.openbd.jp\/9784876160624.in01.jpg"}]}]},"PublishingDetail":{"Imprint":{"ImprintIdentifier":[{"ImprintIDType":"24","IDValue":"1146"},{"ImprintIDType":"19","IDValue":"87616"}],"ImprintName":"海風社"},"Publisher":{"PublishingRole":"01","PublisherIdentifier":[{"PublisherIDType":"24","IDValue":"1146"},{"PublisherIDType":"19","IDValue":"87616"}],"PublisherName":"海風社"},"PublishingDate":[{"PublishingDateRole":"01","Date":"20200615"},{"PublishingDateRole":"11","Date":"20200618"}]},"ProductSupply":{"MarketPublishingDetail":{"MarketPublishingStatus":"00","MarketPublishingStatusNote":"1;"},"SupplyDetail":{"ProductAvailability":"99","Price":[{"PriceType":"03","PriceAmount":"1800","CurrencyCode":"JPY"}]}}},"hanmoto":{"genshomei":"","han":"","datezeppan":"","toji":"並製","zaiko":11,"maegakinado":"—序にかえて—「ひとり」のやぶにらみ\n\n　「ひとり」を手にするには時間がかかる\n　\n　　まだ二〇代\n　　仙台でうろうろしていた\n　　下宿住まいの貧乏学生\n　　ときどき　持病の喘息の発作がおきた\n　　喉をぜいぜいさせ　横臥していた\n\n　やがて同人仲間がやってきて、せまい枕元で安酒の宴会をひらく。世間話、噂話、面罵・嘲笑・悪口のかぎりをつくし、口角沫を飛ばして酔い痴れ、またたくまに退散していった。\n\n　　ひとり　つぶやいていた\n　　「幸せ　になんか　なるものか」\n　　ひとりへの墜落　ひとりへの郷愁\n\n　　三〇代\n　　結婚して　息子ができ　東京にいった\n　　職はきまらず　居場所も不定のまま\n　　非正規雇用の空間をさ迷い歩いていた\n\n　鬱屈し、血が頭にのぼってくると、よく散歩に出た。下駄をはき、郊外のたんぼ道、人気のないところを選んで歩いていく。わけもなく咆哮し、ただ歩くだけ。胸のうちにあふれてくる噴気を吐き出し、歩きに歩く。\n　ときに、雨が降ってきた。それでもペースを変えずに歩く。いつしか涙が頬を伝っている。鼻汁とまじり、雨滴と合流し、唇をぬらして、口の奥に入っていった。喉を降って、腹の底に落ちていった。\n　陽がかげる頃、集合住宅１DKのわが家にもどる。風呂場で水をかぶり、あとは焼酎を飲\nみ続けて、寝床にひっくり返る。\n　翌朝、脳髄から正体不明の毒気が抜けていた。ひとりを手にするには、時間がかかる。とにかく無駄な時間がかかる。だが、その至福の時間も、あっというまに去っていった。\n\n　　四〇代\n　　またとない　地獄の季節\n　　非常勤講師のはしご　はしご　はしご\n　　人　人　人と出会い\n　　ぶつかり　口論し　別れていた\n　　東京市内を　ところかまわず　かけずり廻っていた\n　　ただ打ちのめされて\n\n　お前はひとりだ、ひとりだ、たったひとりだ、天の声がいつもきこえていた。天上天下唯我独尊と、いつも唱えていた。いつもつぶやいていた。毒気も噴気もまだ抜けてはいなかった。\n　ロダンの「考える人」、広隆寺の「半跏思惟像」が、いつになっても頭から離れない。まさか、猿から進化しただけのものではないだろう。それどころか、ひとりでいることの、典型像のように思いこんでいた。\n　彼はひとりで、いったい何を考えているのか。彼女はひとりで、いったい何をしようとしているのか。だが、東京は、そんな貧寒なひとりの問いには、何も答えてはくれなかった。答えてくれるはずもなかった。\n　答えは、うずくまるようにひとりで自閉していると、突然にやってきた。「考える人」は、考えることをやめるときは、腰を上げ、立ちあがり、直立歩行に移るだろう。だが「半跏思惟像」は、考えることをやめるとき、ためらわずに腰を下ろし、大地に坐り、深く呼吸して憩うだろう。人類の発展、成熟も、考えてみれば、ひとり、からはじまっていた。\n\n人に会いすぎない\n\n　　五〇代\n　　ひとりが群集の中に入っていく\n　　群集の「ひとり」になっていく\n　　群れの「一個」になって\n　　汚物のようにそこにはじき出されただけではない\n　　群れのひとりにただまぎれこんでいく\n　　ひとりの奴隷時代が　いつまでも続いている\n　　組んずほぐれつ　地獄の季節が　まだ続いていた\n　　それどころか　まだまだ深化し続けていた\n　　この頃　東京を去って　京都にやってきた\n\n　あるとき大きな集会で、老練の医師に出会う機会があった。その人物が言うには、「医者の三要件は、止める・ほめる・さすることだ」と。なるほど、そうかと思った。まず痛みを止める、患者をほめる、万策つきれば両の掌でさする。\n　それで、考えた。この三要件は、人と人とのあいだにおいても、そのままあてはまるだろう。\n医師ひとりの愛語は、患者ひとりの奴隷状態を解放する霊薬になるかもしれない、そう思った。ただ、三要件の実行は、言うは易く、行うに難し、ひとりの深淵をのぞき見、かいま見ただけのことだった。\n\n　　六〇代\n　　京都にい続けて長逗留\n　　ただ　気力体力が下り坂\n　　何を言っても言わなくても　ひとり\n　　何をしてもしなくても　ひとり\n　　それで逆転勝負に出た\n　　食べすぎない\n　　飲みすぎない\n　　人に会いすぎない\n\n　飯やおかずを、とにかくよく噛んで、噛んで、噛んで食べる。最後は、どろどろになってカオスのごときものとなって、喉に流しこむ。十回、二十回のレベルではない。噛む回数を五十回、六十回の水準まで上げていく。何しろ歯が軒並み弱り、十五本ほど入れ歯さし歯になっている。だから時間もかかる。根気もいる。\n　気がつけば、家人はどこかに去り、ひとり坐って、ただもぐもぐやっている。最後の嚥下の瞬間は、米と肉と魚と野菜の区別は微塵にくだけ、ただのドロドロジュース。これが晩めしになると、酒が入る。アルコール依存症で一日も欠かせない。噛んで、噛んでの合い間に、ちびりちびりのひとり酒が入る。食べすぎない、飲みすぎない、ひとり酒の三位み 一体で、ことがすすむ。\n\n　だが、人に会いすぎれば、これはたちまち崩壊する。暴飲暴食の下地がたちまち顔を出す。\n　このジレンマに耐え、その二律背反と遊びたわむれて、ひとりの深化がすすむ。玄妙なひとりの妄想舞台がはじまる。そこで、ひとさし舞うことができるかどうか、それが問題だ。\n\nそのまま、ありのまま\n\n　　七〇– 八〇代\n　　気がつけば高齢社会\n　　死が　抜き足差し足で近づいている\n\n　　ひとりが暗転する季節　地獄の季節はすでに去り\n　　闇の穴が大きく口を開けて待っている\n　　「認知症」「認知症」の声が\n　　聞こえてくる\n　　食べすぎない\n　　飲みすぎない\n　　人に会いすぎない\n　　もうそれでは　もたない\n　　ひとりの自己決定がぐらぐらしはじめている\n　　今こそ　ひとりの危機の時代\n\n　認知症では時間軸と空間軸が失われる、時間感覚と空間感覚が蒸発する、と専門家は言う。なるほど、徘徊とはそこからくるものか。その専門家に教えられたもう一つのこと、徘徊の人を介護する第一要件は、その状態を「そのまま」に受けとり、「ありのまま」に遇することだ、という。\n\n　　そのまま\n　　ありのまま\n\n　とは驚き入った。青天の霹靂、だった。時間と空間を放り出し、自己決定力を捨てた人のひとりを介護するとは、予想もできない難題・難問であるに違いない。\n　ひらめくものがあった。親鸞の「自然法爾」のコトバだった。九〇歳に近づいた親鸞の、最晩年のコトバだった。\n\n　　そのまま\n　　ありのまま\n　　念仏だけで\n　　ホトケさま\n\n　それが「自然」のすすめであり、「法爾」のかたちであるという。\n　けれども、本当にそんなことがあるのだろうか。そんな彼方の岸辺で愉しむことができるのだろうか。\n　いよいよ、「ひとり」の試練のときがやってきた。気がつけば、われもまた九〇の大台に近づきつつある。そんなこんなで「自然」や「法爾」を手にすることができるのか。\n　　\nグレーゾーンの徘徊を愉しむ\n\n　さて、このところ、「めし」を食べるとすぐ眠くなる。たまらず、横になって昼寝する。昼寝三昧、である。\n　夜、「めし」と「酒」をのどに流しこめば、あとは、さあ死ぬか、とおのれに掛け声かけて、寝床にもぐりこむ。\n　だからだろう、早暁にはもう目覚めて、妄想のときを愉しんでいる。一時間か、二時間……。脈絡を欠く、劇的な空想断片が飛び出してくる。因果をこえる、ミステリアスなイメージ断片がかけめぐっている。\n　寝床のなかの妄想三昧、この世とあの世をつなぐ、グレーゾーンの徘徊である。\n\n　　昼寝と妄想を引き連れた恍惚の人\n　　昼寝三昧と妄想三昧を愉しむひとりの人\n　　昼寝も「自然」のすがた\n　　妄想も「法爾」のかたち\n　　\n　　「認知症」よ\n　　とっとと　立ち去れ\n　　わしはただ「ひとり」で　呆ボーっと\n　　していたいだけなんじゃ","genrecodetrc":1,"ndccode":"","kankoukeitai":"","sonotatokkijikou":"","jushoujouhou":"","furokusonota":"","dokushakakikomi":"","obinaiyou":"「ひとり」を楽しむけれど、孤独じゃない。\n野心はなく、情熱もほどよく冷めた。これからの人生は毎日が心を遊ばせる旅のようだ。\n深い思考と寛容の精神に出合う極上のエッセイ全85篇。","zasshicode":"","jyuhan":[{"date":"2020-08-18","ctime":"2020-08-20 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