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"Text": "◎凸凹な子どもたちへの50のミッション\n01 イカの墨袋を破らずに取り出し、パエリアをつくれ!\nー教科書はなく、つくり方も一切教えないのがROCKET流\n03 100円で買えるオレンジジュースの秘密を探れ! \nー 身近なものから、世界を学ぶ \n07 鈍行列車で最果ての地へ行け! \nーROCKETの旅のプログラムは、予期せぬことが起きるよう、あえて目的地不明のまま子どもたちが招集される14 百貨店は百科事典。さまざまな違いを探求せよ!\nーインターネットで得た知識など本当の知識ではない\n17 雪の降るまちに棲息する熱帯魚を探せ!\nー大人がやりたいことをやっていれば、子どもは背中を見て勝手に育つ\n28 誰かが決めた100%ではないゴールを探せ!\nー「100%で言えば、80%。でも、300%だったら60%かな」\n33 北海道の大地で、最高の炭をつくれ!\nー集合時間の翌朝8時。フロントにやってきた子どもは一人だけ \n36 「好き」はとことん追求せよ!\nー好きを追求する子どもはお互いを尊重する\n37 続・北海道の大地で、最高の炭をつくれ!\nー覚悟を決めた彼らが自宅に戻ったのは、出発から24日後 \n43 養老先生とトリュフを探せ! \nー子どもと元・子どもの話は尽きずに延々と続いていく \n49 偶然の出会いを大切にせよ! \nー人の優しさに触れられたのは、偶然、進路をはずれたから\n…etc.\n\n◎トップランナーによる名語録\n1「チームのほうが欠点を欠点のまま生きられる」\n チームラボ代表取締役 猪子寿之さん\n2「目隠しさせられながらマラソンを走っているような」\n宇宙飛行士 山崎直子さん\n3「話すことはできるはずなのに、孤独でつまらなかった」\nバリアフリー研究者 福島智さん\n4「今の子は学校での仮面が重すぎる」\n演出家 平田オリザさん\n5「東京スカイツリーを建てに東京行く言うたら、散々馬鹿にされた」\n鳶職人 多湖弘明さん\n6「本当に本気でやっているのは、虫のこと」\n解剖学者 養老孟司さん\n\n◎ROCKETの学びをひもとく5つのQ&A\nQ1 ROCKETって何?\nQ2 ROCKETでは何が学べるの?\nQ3 エジソンみたいな天才を育てるの?\nQ4 学校に行かなくてもいいの?\nQ5 「教科書」 「目的」 「時間制限」 「協働」がないって、どういうこと?"
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"maegakinado": "はじめにー「ROCKET」という挑戦\n\n 異才発掘プロジェクトROCKETがスタートする前、東京大学先端科学技術研究センター(東大先端研)の研究室では学習の苦手な子どもの支援研究を行っていた。理解力はあるのに読み書きが苦手でテスト評価が低い子ども、多動で授業中じっとしていられない子ども、コミュニケーションが苦手で先生や友だちとトラブルばかりの子ども、いずれのタイプも彼らが悪いわけではないのに、集団と同じことができないという理由で強く指導され、傷ついていた。同時に、その多くが不登校や家庭内暴力などに結びついていた。\n\n 彼らとゆっくり話してみると、とてもユニークな才能があった。そのなかの一人のNくんは、いじめがトラウマになり、そのフラッシュバックから激しい自傷に走る子であった。コミュニケーションが苦手で書くことも苦手だが、音楽を愛し必死に小説を書いて自費出版までしていた。Mくんも書くのが苦手。それを努力で克服しようとしたが、学習の遅れに強いコンプレックスを抱いていた。引きこもりのストレスから家族に暴力をふるうことが頻繁であったが、ネット社会の仕組みに関する知識は専門家並みだった。すでに成人していたKさんは「俺は天才数学者ラマヌジャンの再来だ」と言いながら、ノートに書きなぐった難解な数式を見せて必死に説明してくれた。多動な彼は態度を強く叱責されて自信を失い、頑張ってもできない自分を責め苦しんだという。精神障害を患い、進学をあきらめ、世界を放浪し、無職の生活を続けていた。「もっと数学のわかる人を紹介しろ」「俺も大学に行けたら」と叫びながら暴れる彼が、ふと我に返り語った「俺たちのような大人をつくっちゃいけないよ」という言葉が忘れられない。彼らの叫びがROCKETの原点であることは間違いない。\n\n 当時、日本は、産業分野で中国や韓国に追いつかれ、イノベーションを起こす人材をどう育てるかが話題になっていた。硬直化した社会を動かしていくのは、空気を読まず、自分の信念に基づいて前に進んでいけるユニークな人であるに違いない。しかし残念ながら、日本社会は安定を乱すものを排除する。イノベーションを起こしにくくなるのは当然のことであった。そこで多様性を認め、ユニークな人をつぶさず育てる新しい教育システムが必要だと考えた。\n\n 同時期に、私たちは千葉県にある農園で農業とICTを介した教育プログラムを行っていた。高齢者は土いじりは得意だがICT機器が苦手、子どもはICT機器に抵抗はないが土いじりは好きではない。この得意・不得意が違う子どもと高齢者をミックスしてプロジェクトを進めていた。多様な人間が集まるカオスのなかで、リアルな活動や人を介して学ぶ方法のおもしろさと可能性に気づきつつあった。\n\n そんなときに日本財団で今の社会課題についてお話しする機会があり、それが縁で日本財団の沢渡一登さんから一緒に社会を変えるような大きなプロジェクトをやらないかとお声がけいただいた。具体的には「エジソンのような天才を生み出すプロジェクトをやりませんか?」というオファーであったが、私自身は次のように考えていた。\n\n ・学校に行っている子どもには突き抜けた教育を行いにくい\n ・学校をつくれば法律の縛りで突き抜けた教育を行いにくい\n ・学校に行かない子どもには学校を飛び出した意思と学びへの想いがある\n ・学校に行かない子どもには目的も教科書も時間割もない自由な学びがある\n ・英才教育からは持続的イノベーションを生み出すことができるかもしれないが、 破壊的イノベーションはもっと自由な学びのなかからしか起きない\n\n そこで生まれたのが異才発掘プロジェクトROCKETである。プロジェクトの部屋がある先端科学技術研究センターの1号館が、かつての東京帝国大学航空研究所であり日本の航空宇宙研究の発祥の地であったこと、また地球を飛び出すような推進力のある子どもを育てたいという想いから、「Room of Children with Kokorozashi and Extra-ordinary Talents(志と変な才能をもつ子どもたちの集まる場所)」と名づけ、始動した。\n\n 本書は、全国から集った総勢128名の変な子どもたちとの5年間の実験をまとめた1冊である。まずは、プログラムから選抜した50のミッション、各界のトップランナーによる名語録を通して、試行錯誤の一端をご体験いただけたらと思う。\n\n東京大学先端科学技術研究センター\n異才発掘プロジェクトROCKETディレクター\n中邑賢龍",
"hanmotokarahitokoto": "どく社は、2021年2月に大阪で創業した出版社です。「読むことは、立ち止まること。」を基本理念に、教育、福祉、まちづくり、デザイン、児童書などの人文・社会書を刊行します。\n第一弾は、「教育」がテーマ。\n東京大学「異才発掘プロジェクトROCKET」のみなさんとともに、学びの本質を立ち止まって考える本をつくる、というミッションに取り組みました。\nぜひお手にとっていただき、学びの楽しさ、わくわくを感じていただければ幸いです。\n\n追記:文字ばかりで恐縮ですが、どうしてもお伝えしたい感想文がROCKET参加者の保護者の方から届きました。こちらでご紹介します。\n---------------------------------------------------------------------------------------------------\n○○と申します。息子はROCKETの1期生です。今年の6月で20才になります。\n彼が13才でプロジェクトのメンバーとなるまで、メンバーになってから、そしてROCKETとちょうどよい距離感で付き合うようになれるまで、本当にいろいろなことがありました。\n\n息子を育てた20年の間、周囲から、なげかけられてきた言葉を思い出すと、いまも悔しく、苦しく、悲しくて涙がでます。\n\nバズーカで全部ぶっ壊してやろうかと思ったし、心の中で何人も殺しました(笑)\n\n私が悩み病む日も、息子はいつも目をキラキラさせて人類の可能性や地球の素晴らしさを話してくれた。\n「一緒に死のう」と泣いた日も、「死にたいならお母さん1人で死んで。僕は生きて、将来役に立つ人になる」と言って、私を生かしてくれました。\n\nそんな息子を、私1人で育てたらダメにしてしまう。誰かに助けを求めなければ!と探し始めて、6年。やっとたどり着いたのが中邑先生でした。\n\nあのプロジェクトに関わる人は、みんな、深く傷付いて、絶望して、怒りを抱えていました。でも絶対に諦められない、必死な人ばかりでした。だから、良いことばかりではなかったし、思い出したくないこともある。\n\n「種明かしがどんな美談になっているのか見てやろう」くらいの、なかば意地悪な気持ちで手に取りました。\nプロジェクトの説明が少し掲載されているだけ。この本、需要あるのかな、と、正直首を傾げながら読み始めました。それなのに、ページをめくるたびに、懐かしくて、涙があふれました。\n\n「母親は邪魔なだけだから関わるな」と事務局から言われていたから、プロジェクトの内容もよく知らないし、写真も残っていない。でも、あの日、息子は間違いなくこの場所にいたんだ、と感じました。\n\nROCKETの中で、きらりと光るものがあるわけでもない。何かに夢中になって、結果を出したわけでもない。\nROCKETの「突き抜けている」タイプにはあてはまらないと早々に気づいて落胆もしていました。\nでも、必死で、悩んで、時には怒って、弾けて笑うこともあった。\nROCKETでの時間は、彼にとって、青春みたいなものだったような気がします。\n\nいまだに友達もいないし、彼女なんてできそうにもない、凸凹だし、すぐにパニックも起こすけれど、自分を生きるのはそう悪くない。そう思えるのはROCKETがあったからだと思います。\n\n私も、彼が楽に生きているから、親の責任も社会の常識も一旦置いて、ただ1人のファンとして、ただ息子を好きだという気持ちを大切にしたいと思えるようになりました。",
"kaisetsu105w": "東京大学と日本財団による次代を切りひらく才能を育てる伝説のプロジェクトの集大成。子どもたちを夢中にさせた、学びの本質とは? 養老孟司、平田オリザ、山崎直子、堀江貴文などトップランナー34人の名語録コラムも収録!",
"kanrensho": "『どの子も違う』(中公新書ラクレ)",
"tsuiki": "キーワード:\nPBL、プロジェクト型学習、探究型学習、アクティブ・ラーニング、不登校\n\n訂正のお知らせ:\n初版第1刷p175の注釈に訂正がございました。以下を削除いたします。\n*プロジェクトリーダー",
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"ruishokyougousho": "『「探究」する学びをつくる:社会とつながるプロジェクト型学習』(藤原さと・著、平凡社)
\n『育てにくい子は、挑発して伸ばす』(中邑賢龍・著、文芸春秋社)
\n『異才、発見!――枠を飛び出す子どもたち』(伊藤史織・著、岩波新書)
\n『未来のイノベーターはどう育つのか――子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの』(トニー・ワグナー・著、英治出版)",
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